BtoBの製造業について考える(株式会社クレイコンサルティング)

ブログ毎日更新中。50歳で製造業を退職、中小企業診断士として2025年4月に独立開業しました

公募前に補助金について調査を開始する

1月中旬になると、「今年の補助金はまだ発表されていない」「公募要領が出てから考えればいい」と感じている中小製造業の経営者も多いのではないでしょうか。確かに、多くの補助金は年度明け以降に正式な公募要領が公開されます。しかし実は、この時期だからこそやっておくべき補助金の検討があります。それが、中小企業庁が公開している施策パンフレットを見ながら、補助金の「当たり」をつけておくことです。今回はソフトウェアの導入を事例として説明します。



<公募前に見る意味は「申請」ではなく「仕込み」>
1月時点でパンフレットを見る目的は、「今すぐ申請書を書くこと」ではありません。今年、国は 何を支援しようとしているのか、どの分野に 予算と力を入れているのか、自社が検討している投資が どの枠に入りそうかを、事前に把握することです。補助金は、突然現れて突然消えるものではありません。多くは前年の流れを引き継ぎながら、少しずつ表現や条件を変えて続いていきます。パンフレットは、その「流れ」を読むための資料です。

<ソフトウェア導入は「後付け」より「当てはめ」が重要>
製造業の経営者から、よくこんな声を聞きます。「この投資、どの補助金に使えますか?」この問い自体は自然ですが、補助金で失敗しやすいパターンでもあります。補助金は、投資内容に合わせて制度を選ぶものです。逆に言うと、補助率が高いから、金額が大きいからという理由で制度を先に選び、あとから無理に投資内容を当てはめると、申請も実行も苦しくなります。パンフレットを今見る意味は、「このソフトウェア導入は、どの制度の説明文に自然に置けるか」を、冷静に考える時間を確保することにあります。

<パンフレットを見るときの実務的な視点>
パンフレットを眺めるときは、細かい条件を読む必要はありません。次のような視点で十分です。

・「IT」「DX」「デジタル」という言葉がどこに出てくるか
・ソフトウェアやクラウド活用が明記されているか
・製造業の業務改善を想定しているか
・単独導入を前提としているか、設備とセットか

ここで、違和感なく読める制度、少し言い換えれば使えそうな制度、明らかにズレている制度が自然に分かれてきます。この段階で「本命候補」を1~2本に絞れていれば、十分です。

www.chusho.meti.go.jp


<なぜ「今」考えると楽になるのか>
公募が始まってから慌てて検討すると、補助率だけで判断する、本来の目的から話がズレる、無理のある事業計画を書くといった事態になりがちです。一方で、1月の時点で自社が検討しているソフトウェア導入の目的を整理しそれがどの施策の思想に近いかを確認しておくだけで、申請書は「書く作業」ではなく「まとめる作業」になります。これは、実務上とても大きな違いです。

<補助率よりも「制度との距離」>
補助金を選ぶとき、つい目が行くのが補助率です。しかし現場で見ると、補助率が多少低くても制度目的と投資内容が一致している方が結果として、申請が通りやすく、実行後の報告も楽で、次の投資にもつながるというケースが圧倒的に多くなります。パンフレットを今見ることは、その判断を間違えないための準備です。

<さいごに:1月の補助金検討は「経営判断」>
この時期にパンフレットを眺めながら補助金を考えることは、事務作業ではありません。自社は何に投資しようとしているのか、それは国の支援方針とどの程度重なっているのかを整理する、経営判断そのものです。公募が始まる前に一度立ち止まり、制度の全体像を見渡す。それだけで、補助金との付き合い方は大きく変わります。

中小企業で製造業の皆様へまとめ
・ 補助金を活用して事業の成長を図りましょう
・ 補助金の内容から会社の投資の方針を策定するのも有効です

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