BtoBの製造業について考える(株式会社クレイコンサルティング)

ブログ毎日更新中。50歳で製造業を退職、中小企業診断士として2025年4月に独立開業しました

2026-01-01から1年間の記事一覧

ロバストと効率は現場で両立できない

現場に対して「効率を上げろ」「ミスをなくせ」と指示していないでしょうか。どちらも正しい指示です。しかし現場は、内心こう感じています。「それは同時にはできないのではないか」実はこの違和感こそが、多くの企業で言語化されていない重要な問題です。…

打合せ議事録で関係を悪化させないために

製造業の取引現場では、日々さまざまな打合せが行われています。仕様変更、納期調整、コストの見直しなど、その内容は多岐にわたります。こうしたやり取りの中で、「言った・言わない」の問題を防ぐために議事録を活用することは有効です。一方で、議事録の…

価格情報を漏らすと何が壊れるのか

製造業において、図面や技術情報の機密性は広く認識されています。しかし現場では、それ以上に重要な情報があります。それが「価格情報」です。本稿では、実務で起きがちな2つの事例をもとに、「どこまでが正しい交渉で、どこからが危険なのか」を整理します…

製造業の現場が変わる「課題管理表」の使い方

製造業の現場では、「問題はあるが、誰が何をやっているのか分からない」「会議で話して終わる」という状態に陥ることが少なくありません。そのような状況を改善するために有効なのが、シンプルな「課題管理表」です。ただし重要なのは、単なる進捗管理では…

1,000万円未満の小規模投資で失敗しない補助金の選び方

中小企業の設備投資において、補助金の活用は有効です。しかし現場では、次のような失敗が頻発しています。「対象設備に入っているから申請を進めたが、途中で“大型案件向け”だと気づき、時間だけがかかった」これは単なる知識不足ではなく、制度の見方を誤…

作業標準書は三層構造にしてもよい

作業標準書を品目ごとに作成すると膨大な数になってしまいますが、現場でうまく機能させるには少し工夫することが重要です。<よくある失敗>・品番ごとに標準書が増える・改訂できない・誰も見なくなる解決策:三層構造にすることです。現場が回る企業は、…

作業指導の四原則で現場は安定する

製造現場でよくある悩みです。教えたはずなのに不適合が出る、人によってやり方が違う、この原因の多くは、作業者ではなく教え方の原則が欠けているかもしれません。<作業指導の四原則>現場教育で押さえるべきは次の4つです。① 正確に教える数値・条件・基…

顧客と同じく取引先にも礼節をもって対応する

製造業においても、「顧客が最も重要である」という考え方に異論はありません。売上も利益も、最終的には顧客から生まれるからです。しかし、特に下請構造の中にある中小製造業では、もう一つ見落としてはならない存在があります。それが、自社の製品や工程…

技術力はどうすれば上がるのか

製造業の経営者と話をしていると、「うちは技術力を上げていきたい」という言葉はよく聞きます。では、その技術力はどうすれば上がるのでしょうか。<技術力の正体とは>技術力というと、加工のうまさや精度の高さを思い浮かべることが多いですが、本質はそ…

製造業の原価が分かる工業簿記

製造業の経営者と話をしていると、次のような場面によく出会います。「値上げしたいが、うまく説明できない」「コストは上がっているが、どこまで転嫁してよいか分からない」「顧客から根拠を求められると弱い」。こうした悩みの原因は、実は非常にシンプル…

【2026年版】SII「工場・事業場型」補助金とは

製造業の経営者から、最近こういう相談が増えています。「電気代が上がっている。設備更新したいが投資が重い」この問題に対して、単なるコスト削減ではなく、補助金を使って“利益改善”に変える方法があります。その中心にあるのが、SII(環境共創イニシアチ…

【2026年版】大阪府のエアコン補助金(高効率空調機導入支援)

製造業の現場で、ここ数年よく聞く相談があります。「エアコンが古いので入れ替えたいが、費用が大きい」これは単なる設備更新の話ではありません。実は今、補助金を使うことで“コスト削減投資”に変えられるタイミングに来ています。今回は大阪府が実施する…

作業手順書は判断と権限の設計書である

製造業の現場で「作業手順書を整備しよう」という話になると、多くの場合、次のようなやり取りが発生します。「細かく書くと運用が大変なので、まずは大まかに作りましょう」一見もっともらしい意見ですが、この方針のままでは、手順書は形だけ整備され、現…

サイバーセキュリティお助け隊サービスとは何か

中小企業の経営者と話をしていると、「情報セキュリティは重要だと分かっているが、何から始めればよいか分からない」という声をよく聞きます。実際、セキュリティ対策は専門用語も多く、ベンダーに相談すると高額な提案になりがちです。その結果、「必要性…

Copilotでは社外流出は防げるが社内流出に注意する

AI

最近、生成AIの活用を検討する中で、「Copilotは安全なのか?」という相談を受ける機会が増えています。特に多いのは、情報が外に漏れないのか、機密情報を入力しても大丈夫かという不安です。結論から言えば、Microsoft 365のCopilotは社外流出という観点で…

全数検査と抜取検査の違いを説明できるか

製造現場でよく聞く言葉があります。「うちは品質が厳しいから、最終でしっかり検査している」一見、正しいように聞こえます。しかし、この考え方のままでは、品質も利益も両立しません。問題は検査の強さではなく、検査の前提が設計されているかどうかです…

分割勤務という選択肢

人手不足が深刻化する中で、多くの経営者は「採用を増やす」ことに意識が向きがちです。しかし現実には、地方や中小企業においては、そもそも人が集まらないという前提があります。このような状況において、一つの選択肢として知っておきたいのが「分割勤務…

キャリア面談を社外に依頼するという選択肢

人材育成や離職防止のためにキャリア面談を導入する企業は増えています。一般的には上司や人事担当者が実施するものですが、中小企業では社外の第三者に面談を依頼する方法も有効な選択肢になります。これは人事の責任を外部に任せるという意味ではなく、組…

中小製造業の値決めを見直す方法

製造業の経営相談でよくある悩みの一つが「価格」です。「昔の担当者が決めた単価のまま」「材料価格が上がっているが反映できない」「値上げ交渉をすると関係が悪くなるのではないか」こうした状況では、価格は経営の意思ではなく、過去の慣習で決まってし…

AI議事録を試すと会議の質が上がる

AI

最近、「AIを活用したいが何から始めればよいのか分からない」という相談を受けることが増えました。生成AIは話題になっていますが、実際の業務でどこから導入すればよいのか悩んでいる経営者は少なくありません。そのような場合、私がよく提案するのが 会議…

設備保全は簡単なことから始めてみる

製造業の経営者と話をしていると、納期遅延の理由としてよく挙がるのが設備トラブルです。実際に現場で調査してみると、突発的な故障よりも多いのが部品の消耗や劣化による停止です。しかし、多くの中小製造業では設備の予防保全が体系的に行われていません…

新人教育で「丁寧に」と言ってはいけない

新人教育でよく聞く言葉に「丁寧に」「敬意をもって」「しっかり」という表現があります。しかし、実はこれらの言葉は新人にとって非常に理解しにくいものです。理由は単純で、何をすればよいのか分からないからです。例えば名刺交換の指導で「丁寧に交換し…

調査報告書の重要性と構造

製造業では、品質問題や不具合、工程の問題などが発生したときに「調査」を行うことがあります。しかし実際には、調査は行われていても、報告書として整理されていないことが少なくありません。特に、技術者ではない従業員が現場の問題を確認しようとすると…

中小製造業における品質管理の課題と進め方

製造業の品質管理を語るとき、日本では長く TQC(Total Quality Control) が理想形とされてきました。TQCは「品質は検査で作るものではなく、全社で作り込むもの」という考え方です。設計・製造・購買・品質保証などすべての部門が品質に関与し、工程で品質…

古い設備の量産工程をどう活かすか

製造業の将来について語られるとき、「多品種少量」「高付加価値」「高度な技術」という言葉がよく出てきます。もちろんそれは重要な方向性です。しかし、現実の中小製造業を見ていると、まったく違う形で長く続いている会社も少なくありません。それは、古…

顧客は加工や組立を買っているのではない

中小製造業の経営者からよく次のような言葉を聞きます。「うちは加工屋なので、言われたものを作るだけです」確かに賃加工の会社では、図面を受け取り、その通りに加工や組立をして納品することが基本です。設備を動かし、品質を守り、納期通りに出荷する。…

製造業と相性が良いローカルLLMで生成AIを使う

AI

近年、生成AIの活用が急速に広がり、多くの企業で業務改善の手段として検討されるようになりました。文章作成や資料整理などの用途では、クラウド型の生成AIサービスを使えばすぐに効果を実感できるでしょう。一方で、製造業の経営者と話をしていると、AI活…

図面の譲渡は権利の話になる

図面を提供することは頻繁に起こるわけではありませんが、それが発生すると実務的には次のような権利が関係します。<著作権(図面そのもの)>機械図面は法律上「図形の著作物」に該当します。したがって図面には著作権があり、原則として作成した会社に権…

工場の定量的把握から補助金活用へ

製造業の経営者と話をしていると、補助金について次のような相談を受けることがあります。「この設備を入れると補助金が出ると聞いた」「知り合いの会社が機械を入れて補助金をもらったらしい」「うちも設備を入れる予定なので補助金を申請できないか」こう…

金属加工の品質は前後工程で決まる

製造業の現場で起きる品質トラブルを見ていると、必ずしも「その工程のミス」だけが原因とは限らないことに気づきます。むしろ多くの場合、問題は前工程から持ち込まれているか、あるいは次工程との関係が考慮されていないことにあります。この視点を持つか…